銀行・不動産会社に直撃取材!

地方銀行 融資支店長代理に直撃!


今回は、私が地方銀行勤務時代にお世話になった融資支店長代理に取材させていただきました!

銀行や保証会社では一体、住宅ローンの審査で私たちのどんなところをチェックしているのか?
一般的には知られていない、その気になる審査内容を中心にいろいろ伺いました。


きっと住宅ローンを考えている方の参考になると思います。




Q1.住宅ローンの仮審査とはどういうものですか?                          


 A.仮審査はあくまで「仮」であり、おおまかに審査基準に該当するか確認するだけで、
   詳細は本審査で行うことになります。


   まずお客様は、銀行に住宅ローンの申込用紙や必要書類を出していただくのですが、
   銀行ではその書類をもとに基本的な審査を行い、銀行の審査に通れば次に保証会社
   で審査での審査になります。


   たとえ銀行での審査に通っても、保証会社の審査に落ちてしまうと融資は受けられ
   なくなります。
   融資の最終的な決済権限は、保証会社にあるということです。


   銀行での審査は、お客様に「個人情報の取扱いに関する同意書」を提出いただくこ
   とにより個人信用情報機関に照会し、お客様の氏名をはじめ、生年月日、住所、電話
   番号、勤務先、家族構成、収入、資産、他のローンの利用履歴
などを確認します。


   特に重要なのは他のローンの利用履歴であり、現在の借り入れ状況はもちろん、過去
   の借り入れ・返済状況まで確認を行います。この時、ローンの返済が滞ったり、代位 
   弁済した場合の事故記録(いわゆるブラックリストに載っている状態)があるときは、
   融資をお断りすることになります。


   また、保証会社での審査は、住宅ローン申込者の「年収」「勤務年数」「担保物件の
   評価額」
を重点に行います。




Q2.では、本審査とはどういうものですか?                           


 A.本審査は、実際に融資することを前提とした、より深い内容の審査となります。


   仮審査と大きく違うところは、まず担保となる物件の「実地調査」を行うことです。
   仮審査では路線価を基に物件評価額を出すのですが、本審査では、保証会社の担当者
   が実際に融資の担保となる物件を現地に見に行き査定します。


   ほかには、申込者の「返済能力」を中心に審査をします。
   勤務先も詳しく調査し、「安定的な収入が継続的にあるか?今後も見込めるか?」
   見極めるのです。




Q3.仮審査で通って、本審査で通らないケースもありますか?                   


 A.仮審査で通った方はほとんど本審査も通りますが、まれに通らない方もみえます。


   実際にあったケースをいくつかご紹介します。


   1.銀行で確認できなかった他のローンが保証会社で見つかった場合
     他のローンなどの借り入れ情報などは、銀行は個人信用情報機関に照会しますが、
     保証会社はそれとは別に独自の情報を保有していますので、情報が必ず一致する
     とは限りません。
     銀行で確認できなかった他のローン情報があった場合、保証会社の本審査の段階
     でわかり、審査に落ちるケースもまれにあります。


   2.担保価値を下げる要因がある場合
     本審査での担保物件の実地調査の際、現場近くに担保価値を著しく下げる要因が
     ある場合などは、担保評価が悪くなり審査に通らなかったり、希望融資額の
     100%の融資が受けられないことがあります。


     実際にあった例では、物件が崖の斜面に建っているケースがありました。
     仮審査では、物件を現地まで見に行かず、斜面に建っているかというのは地図上
     では確認することが難しいからです。


     他には、担保物件が建つ前の土地の用途に問題があった時です。
     たとえば、前の用途が「ガソリンスタンド」「汚染物質が出るような工場」
     だったなどのケースは、担保評価が著しく悪くなる恐れがあります。


   3.「虚偽の申告」をした場合
     当行は、融資の完済時の年齢条件を75歳と設定しているのですが、申し込み時
     の年齢と返済期間を計算すると完済時の年齢をオーバーするため、申し込み年齢
     を実際より若く偽って申告
したため、審査に通ることはできませんでした。


     また、他のローン残高なども申し込みの際に自己申告するのですが、やはり審査
     に不利になるとわかって正直に申告しない方も中にはみえます。
     しかし、銀行は他のローンも個人信用情報で確認しますので、必ずわかってしま
     います。


     融資の審査に通りたいがために嘘を申告する人を銀行は今後も信用できないとい
     うことになり、融資が非常に難しくなります。




Q4.保証会社によって審査に違いはあるのですか?                        


 A.保証会社は銀行によって異なりますが、当行の場合は関連会社の保証会社を利用して
   います。


   当行は1つの保証会社を利用しており、その保証会社の審査に通らなければ当行の融
   資は受けられなくなりますが、銀行によっては保証会社を3つ利用しているところも
   ありますので、1つ目の保証会社で審査に落ちても、2つ目の保証会社に審査にかけ
   ることも可能です。
 

   しかし、2つ目の保証会社も審査に落ちますと、通常、3つ目の保証会社に審査を通
   すのは難しくなります。保証会社は、他の保証会社の審査の承認情報を共有していま
   すので、3つ目の保証会社は、2つの保証会社の審査に落ちた人をなかなか審査に通
   すということは考えづらいのです。


   また、保証会社によってその審査基準は若干異なり、審査の通りやすさも違っています。
   審査に通りやすいところは、「保証料」が高めに設定されている傾向にあります。




Q5.保証会社の審査に落ちた場合、住宅ローンを借りる方法はないのですか?            


 A.いくら銀行の融資基準を満たし、支店長が融資をしたいと推しても、保証会社の審査
   に通らなければ、保証会社を通しての融資はできなくなります。


   保証会社の審査に落ちたり、通っても希望融資額の100%に満たない場合、
   「プロパーローン」で住宅ローンを借りられるケースがあります。


   「プロパーローン」とは、保証人である保証会社が付かず、銀行の判断と責任におい
   て貸し出すローンのことを言います。

   

   保証会社が付く住宅ローンは、もし借主が返済ができなくなった場合、銀行は保証会
   社からローンの残金を回収することができますが、保証会社が付かないプロパーロー
   ンはローン残金をどこからも回収することができません。


   保証会社が付く一般の住宅ローンよりリスクがあるため、プロパーローンを利用できる
   人は、融資条件がさらに厳しくなる傾向があり、それ相応の「信用力」「返済能力」
   が必要となります。


   プロパーローンの取り扱い件数は、銀行の営業店により若干の違いはありますが、だい
   たい年に2件か3件程度で、決して多くはありません。




Q6.審査ではどういったことを重視されるのですか?                       


 A.もっとも重視するのは、「担保価値」と「返済能力」です。


   「担保価値」は、銀行が住宅ローンの融資を行う際、担保となる土地や建物に「融資に
   見合うだけの価値があるか?」ということを評価し、低く評価されればその分、融資額
   が少なくなります。


   もしも借主が返済不能となった場合に抵当権を実行してその土地と建物を処分すること
   によりローン残金の回収を計りますので、担保価値は審査の際にはとても重要なポイン
   トになります。


   次に「返済能力」ですが、返済能力と言っても「現在」だけではなく、「将来」も見込
   み審査します。「安定かつ継続的な収入を見込めるか?」ということを、将来にわたっ
   て長期的な視点で審査するため、借主の職業や勤務先も重要なポイントになります。




Q7.審査で落ちる主な理由は何ですか?                             


 A.審査で重要な「返済能力」に欠ける方は審査で落ちることが多いです。


   きちんと返済してもらえることが大前提で銀行は融資をおこないますので「年収が低い」
   「継続的・安定的な収入が見込めない」など、返済能力に欠ける
ことが一番のネックに
   なります。


   また、キャッシングもネガティブな要素の1つですし、クレジットカードもキャッシン
   グ枠が付いているので、実際に借りていなくても審査に影響を及ぼしかねません。


   そのため安易にキャッシングはしない、借りているのなら早めに完済すること、クレジ
   ットカードの保有枚数が多ければ、不要なカードは解約することを心掛けてください。




Q8.勤務先や勤務形態によって審査の通りやすさはありますか?                  


 A.実際、あります。
   やはり審査に有利となる勤務先は、収入の安定感があるとみなされる「大企業」 に
   勤めている方や「公務員」の方です。


   逆に「自営業者」の方は収入が不安定とみなされることが多く、大きなハンデとなっ
   てしまいます。


   「派遣社員」・「契約社員」・「フリーター」の方は、当行の場合、残念ながら住宅
   ローンの融資対象とはなりません。


   また、勤務年数も審査のポイントになりますが、勤務年数が少ない方でもキャリアア
   ップのために転職した場合は考慮されます。



Q9.提携ローンの利用率は高いですか?                             


 A.当行が提携しているハウスメーカーで家を購入したの多くは、提携多ローンを利用
   する方が多くみられます。


   提携ローンを利用する一番の理由は、「比較的審査に通りやすい」ことにあると思
   います。
   そのうえ手続きがスムーズに行われ、審査までの時間が短くなるメリットもあります。


   また、通常の一戸建て注文住宅の場合は、家が建つ前に中間資金として「自己資金」
   もしくは「つなぎ融資」が必要となりますが、分譲住宅の場合は、家が建つ担保設定
   前に融資をすることが可能になるメリットもあります。


   ただし、審査が通りやすいため、返済能力が低い人が「借入過多」になってしまい、
   返済できなくなるケースもありますので、返済計画はしっかりと立てる必要があり
   ますので注意してください。




Q10.融資担当者の努力で、審査に通りやすくなることもありますか?               


 A.融資担当者の努力次第で、審査結果に結びつくことは考えられると思います。


   銀行は融資の審査では、審査基準のチェックリストがあり、原則、申込者がその
   すべての項目においてクリアしていないと融資ができないことになっています。


   しかし、「少し勤務年数が足りない」、「少し担保評価額が足りない」など、チェ
   ックリストの1項目がギリギリクリアできなくても銀行が審査を承認した場合、
   その後の保証会社の審査を通すために融資担当者は「意見書」を作成し、少しでも
   不安材料をなくすようにします。


   また、保証会社から不明な点などの連絡があった場合は、融資担当者は丁寧かつ詳
   細に説明することによって審査結果に影響を与える事になるかもしれませんし、
   保証会社も担当者は人ですから、意見書の内容や融資担当者の熱意に左右されるこ
   とも考えられると思います。




Q11.住宅ローンの返済が難しくなったら、銀行はどうするのですか?               


 A.ローンの借主が返済が難しくなったとき、「中小企業金融円滑化法」に基づき、
   銀行は積極的に返済しやすいように毎月の返済額を少なくし、返済期間を延ばし
   たりするなどの条件変更」を勧めます。


   「中小企業金融円滑化法」とは、2009年12月4日に中小企業者に等に対する
   金融の円滑化を図るため施行された臨時措置の法律で、収入の減少などで、住宅ロ
   ーンの返済ができない個人を救済することを目的の1つとし、住宅ローンが返済で
   きない人からの申し出に対して銀行は、できる限り返済条件の変更を行うなど、引
   き続き返済を続けていただくために適切な対応をとるように求められています。


   しかし、この法律は2013年3月末に失効する予定のため、もしかしたらそれ以
   降は破産者が増える可能性も考えられます。


   もし、条件変更を行っても返済が厳しくなれば、最後は「元金据え置き、利息のみ
   の支払い」
をすることになります。


   これは銀行ができる究極の返済方法ですが、当然、返済総額が減るわけではない
   ので借主にとって厳しいことには変わりありません。


   もし、これでも返済ができないとなると保証会社に代位弁済を請求することとなり
   ます。
   これにより債権は銀行からの手を離れ保証会社に移行し、その後は担保となってい
   る家が任意売却もしくは競売にかけられてしまうことになります。
 
   もし、ローンの返済に困ったら、滞納する前に必ず銀行にご相談ください。





* 代理さん、お忙しい中、詳しく丁寧に教えてくださりありがとうございました!